僕はちゃぶ台を使います。

こんばんは。年季の入ったちゃぶ台を親からもらった阿部です。

以前の僕なら
「ちゃぶ台なんて要らないよー!」

っとちゃぶ台返しでもするかの勢いで即答してましたが今の僕は
「えっ、いいの!」

っと、ありがたく頂きました。
鍋跡やら傷が数十年分積み重なった多分いちょうの木の四角いちゃぶ台です。



あれは
一人暮らし真っ只中の数年前。

おしゃれな部屋をつくるぞー!
っと息巻いて、片っぱしから雑誌を読み漁り作り上げたワンルーム。


探し回ったガラステーブルに
自分で作ったテレビボード。

ルンバを走らせたかったフローリングに
謎のドックトルソー。




街灯に照らされた、明るい夜。

歩いていけるスターバックス。

隣人を知らないアパート暮らし。

ピザが頼める利便性!


さして都会でもない片隅でこんなことで喜んでました。



しかし、じょじょに気付き出す田舎のアイデンティティ。

田植えの時期は田んぼでゲコゲコ、カエルが鳴いて寝られやしないし

雨の日は下を向いて歩かないと車に轢かれたカエルを踏んで嫌悪感でいっぱいで。

あまり深くは語れないけどガマガエルのアレについて知ったときは、興味本位で探し回っても居なくって。


なんだか、僕の田舎エピソードはカエルばっかりですね。




びわの葉の独特さ。

たらの芽のうまさ。

春を告げるウグイスの声。

強烈な金木犀にはびこるコスモス。

目を見張るたけのこの脅威。

カエルのやかましさ。

ミミズを捕まえてコバッチを釣る楽しさ。




便利で快適な日常にたけのこの黄子やたらの芽のトゲはありませんでした。


知っている僕は恋しくなりました。
都会の子供たちは恋しくなる事もないのでしょう。



数年前はモダンなガラステーブルが良かった僕ですが今は古ぼけたちゃぶ台の方が魅了的に映る謎眼鏡です。



将来は6才の子供を連れて津波戸山の崖っぷちを登るような大人にはなりたくないけど

夏にザリガニを釣って子供たちとグローバルなザリガニパーティーを開くような大人になりたいです。


それまで、古ぼけたちゃぶ台が魅了的に映る謎眼鏡でいたらいいなー。















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